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「かたりつづける物語」 4月3日掲載
かたりつづける物語

 ご鎮座千二百年祭を二年後に控えた二○○四年八月一日付で、青井阿蘇神社の第七十代宮司に就任しました。当神社にはご鎮座以来、五十年ごとに営まれてきた「大寶(たいほう)御注連(おんしめ)」という名の特別な祭りがあります。二十四回目を数える記念の大祭をいかに盛り上げて行くか、日夜思慮したことを昨日のことのように思い出します。
 神社は神を祀る信仰の場であるとともに、地域の歴史や伝統、文化を確かなかたちで守り伝えていくところだと考えていましたので、この特別な祭りのキャッチフレーズを「かたりつづける物語」としました。
 八○六年の創建から千二百年という長い間培われてきた歴史の中で、親から子、子から孫へと幾世代にもわたり積み重ねられ、伝承されてきた人々の技は「伝統」となり、継承されてきた心と知恵の集大成は「文化」として現在の私たちに息づいています。この特別な祭りをとおして、神社のしきたりや地域の伝統、文化を再認識し将来に語り続けることが、人吉球磨固有の物語ともいえる「歴史」を今後も大切に守り通すことにつながると確信し取り組んだのです。
 その思いは地域住民に広がりをみせ、予想以上の成果を収めました。携わった一人ひとりがそれぞれに将来に語り続けるべき大切なメッセージを感じ取り、これを境に国宝指定の機運も加速していったのでした。

| - | 10:41 AM | comments (0) | trackback (816) |
「変不変」 4月10日掲載
変不変
 
 二○○八年四月十八日、国の文化審議会が青井阿蘇神社を国宝に指定するよう文部科学大臣に答申し、やがて一年が経過します。熊本県で初、九州内の神社では宇佐神宮に次ぎ二件目。神社の指定は全国で四十七年ぶりのことで、大変反響がありました。
 新聞やテレビ、その他マスコミの取材に応じましたが、一番多かった質問は「国宝に指定され何かが変わるのですか」というものでした。
 神社では毎日朝夕の日(にっ)供(く)祭(さい)をはじめ、年に一度の例祭、月に三度の月次(つきなみ)祭(さい)など規模の大小こそありますが、一年間を通じ毎日、何らかの祭りを奉仕しています。その他にも結婚式や赤ちゃんの初宮詣、厄払い、還暦など人生節目の祈願を執り行っていますが、これは国宝指定以前から何ら変わらぬ日常の光景です。一方、明らかに変わったこととして、県外からの参拝者の増加、隣接地での物産館建設、国宝を祝したまんじゅうや焼酎の商品開発があげられます。一番うれしい変化は、住民にとって日常の一風景でしかなかった神社を、地域の誇りとしてもっとよく知りたいと思っていただけるようになったことです。
 いつの時代もその時々の人びとに親しまれ、知恵や努力で廃(すた)ることなく大切に守られてきたことがもたらした、国宝指定。決して変えてはならないものを守り続けて行くため、今後もあえて変わりゆくのです。

| - | 10:34 AM | comments (1) | trackback (652) |
「きょうの発言」を担当します
 この4月から6月までの3ヶ月間、熊本日日新聞夕刊毎週金曜日の「きょうの発言」を担当することになりました。掲載されたものを順次紹介させていただきますので、どうぞ宜しくお願いします。

| - | 10:20 AM | comments (0) | trackback (x) |
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